発表実績

ジャイアントパンダの飼育管理、繁殖研究及び獣医学的分野の研究活動は、
中国ジャイアントパンダ繁殖技術委員会、
国内では公益社団法人日本動物園水族館協会主催の
会議をはじめ様々な会議で報告を行っています。

当パークは中国及び海外で開催されるジャイアントパンダ繁殖技術委員会にほぼ毎年参加し、積極的に共同繁殖成果の発表や研究者との情報交換を行っています。2009年公益社団法人日本動物園水族館協会(以下JAZA)の会議では、「ジャイアントパンダのハズバンダリートレーニングによる採血」を発表しました。この頃日本では、鯨類、鰭脚類、ゾウなどはトレーニングでの健康管理を行っていたが、それ以外の動物には適用されていませんでした。当パークの発表は、動物福祉の考えが日本に普及し始めたこともあわせて、国内の飼育動物でのハズバンダリートレーニングが拡がるきっかけともなりました。
大学や研究機関との共同研究にも取り組んでいます。1994年の導入時はオスメスとも2歳で繁殖年齢に達していなかったため、1995年より約10年間、北里大学と共同で消化に関する研究を行いました。この研究を通して消化通過速度や竹の消化に関する知見などを得ることができ、これらの研究は、当パークの竹中心の食事への移行にも影響を与えました。2000年より、繁殖が軌道に乗り始めてからは、帯広畜産大学とのパンダの乳成分の分析、森乳サンワールドが新しく開発したPanda Milk-10の給与試験の実施、神戸大学と繁殖生理に関する研究なども進めていきました。

中国ジャイアントパンダ繁殖技術委員会での発表実績
内  容
2002 ジャイアントパンダの冬季出産例  
2004 アドベンチャーワールドでの繁殖実績について
ジャイアントパンダの行動変化から見た出産日の推定
2006 アドベンチャーワールドにおけるパンダ共同繁殖研究の成果
2007 アドベンチャーワールドにおけるジャイアントパンダの母と子の関係
~子が1頭と2頭の場合の比較~
2009 ジャイアントパンダの春季と秋季発情の比較
2010 ジャイアントパンダの初発情から自然交配成功までの経緯
2011 自己血清を用いた潰瘍性角膜炎の治療例
2013 アドベンチャーワールドでのジャイアントパンダ19年の繁殖実績と新施設概要について
2014 アドベンチャーワールドでの2012年の繁殖について
2015 アドベンチャーワールドでのジャイアントパンダの季節外発情
2016 高齢個体の飼育管理について
2017 アドベンチャーワールドにおける冬季出産時の飼育管理について
2018 アドベンチャーワールドにおける低体重児の飼育管理について
JAZA主催 全国動物園技術者研究会での発表実績
内  容
1995 ジャイアントパンダの飼育経過報告
ジャイアントパンダに認められた慢性胃腸炎および寄生虫症について  
1996 ジャイアントパンダの消化機能に関する研究
2001 ジャイアントパンダの出産と子の成長について
2002 ジャイアントパンダの冬季出産例
2003 ジャイアントパンダの行動変化から見た出産日の推定
2005 ジャイアントパンダの発情期における行動変化
2006 ジャイアントパンダの子の成長に伴う行動変化
2009 ジャイアントパンダのハズバンダリートレーニングによる採血
2012 ジャイアントパンダの血液の季節変動について
2013 ジャイアントパンダの子の成長過程及び授乳量について
2018 ジャイアントパンダを通した教育普及活動について
大学や研究機関との共同研究
施設名 内  容
帯広畜産大学 ジャイアントパンダミルクの乳成分分析 (日本畜産学会発表)
ジャイアントパンダミルクの乳成分とオリゴ糖 (Comparative Biochemistry and Physiology 掲載)
北里大学 ジャイアントパンダの消化機能に関する研究 (日本動物園水族館雑誌 掲載)
竹を含む飼料を給与されたジャイアントパンダの消化研究 (Mammal Study 掲載)
ジャイアントパンダの竹細胞壁の消化機構の研究 (Mammal Study 掲載)
神戸大学 糞中ステロイド測定によるジャイアントパンダの繁殖生理の解明に関する研究
(共同研究プロジェクト2008年度報告)
ジャイアントパンダにおける性成熟年齢の解明と妊娠の判定に関する研究
(共同研究プロジェクト2012年度報告)
妊娠または非妊娠中のジャイアントパンダの排泄物中ホルモン動態
(中国ジャイアントパンダ繁殖技術委員会発表)
森乳サンワールド Panda Milk-10を使用してのジャイアントパンダの子への給与試験
(中国ジャイアントパンダ繁殖技術委員会発表)
ジャイアントパンダの子のための新ミルク混合物による交差給与試験
(The Thai Journal of Veterinary Medicine 掲載)