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エンペラーペンギンの赤ちゃん

10月2日に誕生したエンペラーペンギンの赤ちゃんを自然育雛に向けて親鳥のもとへ返します

2020年10月17日(土)

 アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)では、2020年10月2日(金)に誕生したエンペラーペンギンの赤ちゃんの安定した成育につなげるために、目標体重500g※に成長するまで人の手で育てる「初期人工育雛」を行っています。10月16日(金)に目標体重を超えたため、10月19日(月)に親鳥のもとへ戻します。今後は親鳥にヒナを抱かせたままスタッフが餌を与える介添え給餌を行いながら、自然育雛の成功に向けて親子をサポートしてまいります。
※当パークでは、親鳥が赤ちゃんを受け入れられるように、生まれた当初に近しい卵の重さ(約500g) に赤ちゃんが成長したタイミングで親鳥に戻しています。


【親鳥のもとへ返す様子について】
※報道関係者の皆様を対象に、飼育スタッフが赤ちゃんを親元へ返すシーンを撮影いただけます。
■日時
2020年10月19日(月)午前7時45分〜(開園前に実施いたします)
■場所
ペンギン王国1階で赤ちゃんの体重測定 ➡ その後海獣館2階の親元へ返します


【エンペラーペンギンの赤ちゃんについて】  
■産卵日  :2020年7月30日(木)
■孵化日  :2020年10月2日(金)   
■孵化日数:65日間 ※平均68日間
■親情報  :父親 1997年11月16日搬入(22歳)
      母親 1997年11月16日搬入(22歳)
■性別   :不明                    
■体重   :537g(10月17日現在) ※誕生時300g            
■公開時間:開園〜午後5時00分     
■公開場所:海獣館2階ペンギン展示場
      ※自然育雛への移行に伴い、ペンギン王国1階から、海獣館2階へと公開場所を変更します。


【親鳥主体の子育て方法にチャレンジ  〜未来の繁殖を見据えて〜】
 エンペラーペンギンの繁殖は当初、赤ちゃんが無事に卵からかえり成長することを重視して、体重40kg近くある親鳥が卵をつぶしてしまわないように人の手で育てる「完全人工育雛」を行っていました。2004年に初めて赤ちゃんが誕生しましたが、完全人工育雛によって育った赤ちゃんは、人間を親として認識し、成鳥となってもペアを作らず、次の世代の繁殖につながらないことがわかりました。2012年よりアドベンチャーワールドでは、卵を親から預かり、孵卵器にて孵化させ、その後、雛の体重がある程度成長するまで、人の手で育て、体力をつけてから親鳥へ返す「初期人工育雛」という方法にたどり着きました。


【アドベンチャーワールド エンペラーペンギン繁殖の歩み】
1997年:エンペラーペンギン繁殖研究開始
2004年:日本で初めてエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生。
       世界でも2園館目となる貴重な出来事でした。
2004 年〜2011年:完全人工育雛によって計6羽の赤ちゃんが誕生・成長。
2012年:初期人工育雛に初めて挑戦するものの、親鳥の給餌がみられず、完全人工育雛に切り替える。
2013年:エンペラーペンギンの繁殖において、初めて親鳥からの給餌を確認。
      (初めて初期人工育雛に成功)
2015年:初期人工育雛に挑戦するものの、親鳥からの給餌がみられるまで約3か月かかり、
      その間はスタッフが 給餌を行う。
2016年:初期人工育雛に挑戦してから4羽目、累計10羽目の赤ちゃんが誕生。
      自然育雛開始後、親鳥からの給餌がみられるまで約2週間かかったものの、
      親鳥のもとで無事に成長。
2017年:10月2日に11羽目の赤ちゃんが誕生。
2018年:10月3日に12羽目の赤ちゃんが誕生。
      親鳥からの早期給餌に成功(自然育雛開始から8日目)。
2019年:10月1日に13羽目の赤ちゃんが誕生。
2020年:10月2日に14羽目の赤ちゃんが誕生。

【エンペラーペンギンについて】
■分  類:ペンギン目 ペンギン科
■生息地:南極大陸およびその周辺
■学  名:Aptenodytes forsteri
■英  名:Emperor Penguin
■食  生:魚類、イカ、オキアミなど。
アドベンチャーワールドでは主にオオナゴ、ホッケなどを与えております。
■繁  殖:南極大陸で繁殖するのは、中型のアデリーペンギンと並んでエンペラーペンギンの2種類だけですが、アデリーの繁殖シーズンが、雪溶け後に岩場が露出する夏場なのに対して、エンペラーペンギンはマイナス60度にも至る冬の氷原で繁殖を始め、約120日間にも及ぶ絶食の中ヒナを育てることから「世界で最も過酷な子育てをする鳥」だと呼ばれています。およそ5歳で性成熟に達します。メスは産卵後、餌を取りに海へ行き、繁殖地に残ったオスは絶食状態で約2か月間卵を抱き続けます。
■寿  命:約 30 年
■特  徴:世界最大のペンギンで体長約 120cm、体重約 40kg に達し、側頭部と胸部上部の鮮やかな黄色が特徴的です。唯一赤ちゃんに模様があるペンギンでもあり、生まれた直後から換羽を迎えるまで、 白・黒・グレーの三色をしています。成鳥はキングペンギンとよく似ていますが、キングペンギンは体長 約90cm と、エンペラーペンギンと比べると小型で、胸部上部が橙色をしていることから区別できます。

【アドベンチャーワールド ペンギンプロジェクトについて】
 アドベンチャーワールドでは、1978年の開園時にフンボルトペンギンとキタイワトビペンギンの飼育を開始し、1990年から自然界で暮らすペンギンコロニー(繁殖群)を再現すべく、「ペンギンプロジェクト」として本格的に飼育・繁殖研究に力を注いできました。アデリーペンギン、ヒゲペンギン、ジェンツーペンギン、キングペンギンと繁殖実績を積み、1997年に世界最大のペンギンであるエンペラーペンギンの繁殖研究を開始しました。

 現在、日本国内でエンペラーペンギンを飼育しているのはアドベンチャーワールドと愛知県の名古屋港水族館の2園館のみです。当パークではこれまで誕生した14羽の赤ちゃん(今回の赤ちゃんも含む)はすべて同じ両親から生まれており、血統問題が深刻化しています。
 ペンギンプロジェクトの一環として、未来の繁殖のため2009年より、2園館でブリーディングローンを開始しました。2019年の3月には10年ぶりにブリーディングローンとして1羽ずつ血統交換を行い、今年、名古屋港水族館からやってきた個体とアドベンチャーワールドで暮らしていた個体の間に産卵を確認しました。今回は無精卵で誕生には至りませんでしたが、この経験を活かし有精卵に繋がるように取り組んでまいります。

※ブリーディングローンとは
希少な動物を絶やさず増やしていくために、動物園や水族館同士で動物を貸したり借りたりする制度のことです。双方で協力して種の保存に取り組んでいます。ブリーディングローンの実施により、希少動物のペア飼育や群飼育が進み、たくさんの動物が繁殖に成功しています。

【「こころにいつもSmileを〜!コウペンちゃんコラボキャンペーン」】
大人気キャラクター「コウペンちゃん」とコラボし、パークで暮らす8種類のペンギンに変身したコウペンちゃんのマスコットぬいぐるみを2020年10月24日(土)より発売します。同時に「こころにいつもSmileを〜!コウペンちゃんコラボキャンペーン」を2020年10月24日(土)〜2021年1月31日(日)まで開催し、限定デザインの年間パスポートやパーク内にフォトスポットが登場します。
   
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