1994年以降、成都動物園や成都ジャイアントパンダ繁育研究基地より延べ70名余りの中国スタッフを派遣していただきました。当初は年間を通し中国スタッフに滞在していただき、ご指導の元、飼育管理をしていました。2000年より繁殖研究が本格的になってくると、人工授精や新生児の世話の専門家にも来日していただき、当パークのスタッフも様々な経験を得ることができました。2008年以降は発情期や出産時期のみ中国側の専門家が来日。常日頃より健康状態や繁殖行動などの情報を密に共有することで、相互の信頼関係を構築しています。2020年には、コロナ禍で海外の往来が難しくなり、発情期や出産時期に中国側の専門家が来日できなくなりましたが、長年培った飼育や繁殖技術を基に、当パークスタッフのみで交配や出産を成功に導くことができました。成都ジャイアントパンダ繁育研究基地との交流は飼育技術だけにとどまらず、食や文化の交流も積極的に実施し、相互の信頼関係を構築しています。

また、当パークのスタッフが成都ジャイアントパンダ繁育研究基地を訪問しての研修も実施しています。1996年に1週間、2009年には1か月の研修にそれぞれ当パークのスタッフが訪中しました。主に治療や健康診断の技術について、採血トレーニングや超音波診断、感染症の予防接種の手法など、ジャイアントパンダの飼育管理に欠かせない技術を修得し、当パークへと持ち帰りました。加えて、当時着工前であった都江堰熊猫谷の建設地の見学や、成都ジャイアントパンダ繁育研究基地のスタッフとの人脈形成ができたことも、その後の共同繁殖研究の大きな手助けとなっています。2019年には6か月の長期研修を計画・実行しました。主目的は成都ジャイアントパンダ繁育研究基地の専門家との交流をより一層深め、今後の繁殖研究に向けて友好な関係を築くこと。しかしながら、新型コロナウイルス感染症蔓延のために3か月で研修を中断し帰国せざるを得ませんでした。研修中は老齢個体の健康管理と、パンダの赤ちゃんのトータルケアをはじめ、様々な技術、知識を修得することができました。

中国側スタッフ

研修履歴