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絶滅危惧種のコウテイペンギンの今シーズン初産卵を確認! ~ 昨年、世界初の有精卵を確認した「人工授精」プロジェクトも継続 ~

2026年08月04日(火)

 日本で唯一、10種類470羽のペンギンたちが暮らすアドベンチャーワールドにおいて、今シーズン初となるコウテイペンギンの産卵が確認されました。産卵したのは、昨年4年ぶりの孵化成功となった赤ちゃん(E044)の両親であるペア(オス:E005・メス:E014)です。また、当パークでは種の遺伝的多様性を維持し、動物たちのいのちを未来へ送り継ぐため、人工授精による繁殖研究も継続しており、今シーズンもすでに新たなチャレンジを開始しております。 2026年8月4日現在、他のペアを含め、計5卵の産卵を確認しております。
 コウテイペンギンたちが極寒の中で「ハドル」を組み命を守り抜くように、ペンギンの未来を守ることが、人・動物・自然、そして地球全体の未来を守ることに繋がるという思いを込めた『38℃ MIRACLE Project』を今シーズンより推進しております。 コウテイペンギンは絶滅危惧種に指定されており、世界でも3か国(アメリカ、中国、日本)のみで飼育されている希少な種であり、その繁殖は世界的にも極めて困難です。当パークではこれまで、繁殖技術の確立に向けた取り組みを進めてまいりましたが、生命誕生への道のりは決して平坦ではなく、今後無事に孵化することを願うとともに、今回の産卵と人工授精の取り組みについてお知らせいたします。

【ポイント】
1.昨年誕生の赤ちゃん(E044)の両親である「E005・E014」ペアが今シーズン初の産卵。今後の検査で有精卵と判定された場合、順調にいけば9月末頃に孵化する予定です。
2.昨年、世界初(当パーク調べ)となる人工授精での有精卵を確認した実績を基に、今シーズンも人工授精を実施(E007・E004)。
3.今シーズンは現在までに計5卵の産卵を確認。産卵日は7月23日、7月28日、7月29日、7月30日、8月4日。
4.コウテイペンギンの繁殖は極めて難しく、当パーク全体の有精卵の確率も約28%と低く厳しい現実がある中で、技術向上に向けた挑戦を継続。

■ 厳しい現実と向き合う:長年の繁殖研究と、コウテイペンギンの繁殖の難しさについて
 当パークでは1997年よりコウテイペンギンの繁殖研究を開始し、2004年には日本初(世界でも2園館目)となる赤ちゃんの誕生に成功しました。当初はスタッフが親代わりとなる「完全人工育雛」で命を繋いでいましたが、親鳥自身による子育て(自然育雛)を目指し、孵化後の赤ちゃんを親鳥のもとへ返す「初期人工育雛」へと技術を進化させ、2013年には初めて親鳥からの給餌にも成功しました。これまでの絶え間ない研究と実績により、昨年(2025年)誕生した累計16羽目の繁殖に至るまで、多くの命を未来へ送り継いでまいりました。
 しかし、コウテイペンギンは高度な繁殖技術が求められる鳥類であり、産卵された卵が無事に孵化する確率は決して高くありません。長年研究を続けてきた当パークのこれまでの実績においても、産卵された卵が有精卵である確率は【約28%】、さらに有精卵が孵化に至る確率は【約74%】にとどまります。産卵イコール誕生ではなく、発生中止(受精卵が細胞分裂を繰り返して個体になるまでの過程が止まってしまうこと)や無精卵となる可能性が常に伴いますが、私たちはこの厳しい現実から目を背けず、ひとつひとつの命の可能性を最大限に引き出すため、長年培った飼育技術を注ぎ込んでいます。

■今シーズン初産卵の卵について
・産卵日 :2026年7月23日(木)
・ペア情報:オス E005・メス E014
 昨年(2025年)、当パークにおいて4年ぶりとなる赤ちゃん「E044」を誕生させたペアが、今期1卵目となる卵を産卵しました。産卵した卵は、親鳥から預かり、孵卵器で大切にあたため、今後の検卵による有精卵の確認に向けて、慎重に見守りを続けています。

■ 種の保存へ向けた「人工授精」への絶え間ない挑戦
 当パークでは自然繁殖のサポートだけでなく、飼育下における遺伝的多様性の維持に向けた繁殖研究として、2024年より人工授精プロジェクトに挑戦しています。昨年(2025年)には人工授精によって、世界で初めて(当パーク調べ)となる有精卵を確認しました。残念ながら卵殻に異常が見られ、発生が途中で止まってしまいましたが、世界的に見ても大きな一歩となりました。今シーズンにつきましても、すでにオスの「E007」から精子を採取し、メスの「E004」へ注入する人工授精を実施いたしました。産卵予測時期に合わせて精液を複数回注入し、受精確率を高める最善の努力を行っています。最適な注入量やタイミングを含め現在も研究途上ではありますが、 今後の経過を慎重に見守ります。今後もシーズンを通して、ペンギンたちの状態を最優先に見極めながら、採精と人工授精のチャレンジを継続してまいります。

■ あなたのアイデアと技術でいのちを育む。 「初期育雛用ペンギン覆面」制作者を大募集 !

当パークでは、親鳥による自然孵化や育雛が困難な場合、スタッフが親代わりに赤ちゃんを育てる「初期人工育雛」を行います。その際、人間を親だと勘違いしてしまう「刷り込み(人慣れ)」を防ぐため、スタッフはペンギンの姿を模した「覆面(帽子)」を被って給餌を行います。これまでスタッフの手作りで対応してまいりましたが、「視界が狭い」「通気性が悪く過酷」「よりリアルな質感が必要」といった課題がありました。 「38℃ MIRACLE Project」が掲げる「社会全体で守る」ための新たな一歩として、 ペンギン覆面の制作者を募る運びとなりました。「造形や裁縫が得意」「涼しい素材を知っている」「こんな構造にすれば使いやすい」など、皆様の得意分野やアイデアを、動物福祉と保全の現場で活かしてみませんか?プロ・アマ、個人・法人は問いません。未来の命を一緒に育む、温かいご支援とご参加をお待ちしております。

応募詳細については後日お知らせいたします。