STORY
あらすじ
舞台は、年に一度の「生命(いのち)の祭り」を迎える、青く美しい海の世界。
響かない楽器と、飛べないイルカ。
海辺でガラクタを集め、楽器を作る「ナギ」。自分の演奏に自信が持てず、祭りの輪からそっと身を引いていた。一方、イルカの「ハル」もまた、空へ高く飛ぶ恐怖から逃げ出し、群れから孤立していた。不器用で、臆病なふたつのいのち。ふたりは互いの孤独に共鳴し、誰もいない海でこっそりと音を重ね合わせる。
しかし、祭りの前夜。狂乱に呑まれた者たちが、海の静寂を司る「ご神体」を無断で持ち出してしまう。激怒した海は、すべてを飲み込む猛烈な嵐となって会場に牙を剥いた。崩壊していく世界、絶望の淵。一羽のハリスホークの鋭い飛翔に導かれ、嵐の中心へと駆けつけたナギ。荒れ狂う大自然を前に、ナギが握りしめていたのは、あのガラクタ楽器だった。
彼が命を削って鳴らす「魂の音」は海の怒りを鎮めることができるのか。そして、空を恐れたハルは、仲間を救うため、限界を超えたジャンプを見せることができるのか――。