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Safari&Marine

2015/01/17

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待望のレッサーパンダ誕生!!

●待望のレッサーパンダ誕生!!!●
2014年6月6日、レッサーパンダの赤ちゃん2頭(オス1頭、メス1頭)が生まれました。父親は2013年2月にブリーディングローンで鯖江市西山動物園から、母親は2013年4月に動物交換で札幌市円山動物園からやってきました。ここ数年アドベンチャーワールドでは高齢化により繁殖が途絶えていましたが、この2頭がやってきたことで繁殖を期待し胸を膨らませました。
レッサーパンダは野生では森林伐採などで生息地が減り、個体数が減少しています。世界中の動物園で500頭ほどが飼育され、そのうち日本では200頭以上が飼育されています。1頭1頭が血統登録(戸籍のようなもの)して管理されています。ブリーディングローンという制度は、動物園や水族館で希少動物を増やす目的で貸借を行うことです。動物園には種を保存するという役割があり、アドベンチャーワールドでもトラやチーター、キリンなどの多種の希少動物をブリーディングローンで借り受けています。また、逆に他の動物園や水族館に貸出している動物も多くいます

●出産に至るまで●
レッサーパンダの繁殖期は1月から3月です。まずは相性を見るため、7月より2頭の同居を開始しました。同居開始当初からほどよく距離を取り、2頭の相性は良くも悪くもないといった感じでしたが、繁殖期の1月になっても2頭の様子はほとんど変わりません。しかし、2月1日についに交尾行動が認められ、さらに2月10日にも再度確認出来ました。その後徐々にメスの体重が増え、スタッフが用意した巣箱(出産や子育てを行う木箱)に巣材(竹)を運び入れるなど、出産の兆候が見られるようになりました。

●出産から人工哺育までの経緯●
レッサーパンダの妊娠期間は平均128日間です。出産予定日が近づいてきた6月6日、巣箱の中からメスが出てきません。耳をすますと小さく「ピーピー」と鳴き声が聞こえました。待望の赤ちゃんの誕生です。無事に出産を確認出来て安心したのもつかの間、「しっかり授乳できているのか」「育児放棄していないか」など様々な不安が頭をよぎります。
出産したばかりの母親は神経質になっており、巣箱の中の赤ちゃんの姿を確認することができませんでした。そのため「何頭生まれているのか」「授乳しているのか」は全て音で判断しました。生後2日には巣箱の中を確認出来、オス1頭、メス1頭の2頭が誕生していることが分かりました。生後3日には体重測定を行い、オス147g、メス169gでした。母親が初産だったため不安も多かったものの、頻繁に元気な鳴き声が聞こえ、1日おきの体重測定でも増加が見られたため、授乳をしっかりしていることが分かりました。
しかし、生後9日の体重測定ではオス227g、メス319gとオスとメスの体重が開き始めました。原因として「母親が初産のため母乳の量が少ないのではないか」と考えられましたが、オスの体重の増加が少しは見られていたため「メスが力強くオスが十分に母乳を飲めてない」との結論に至りました。その後も体重の差は縮まることなく開いていったため、生後16日と17日にメスのみ母親から離しオスに授乳を促しました。しかし効果は見られませんでした。「オスを人工哺育にしなければ育たない」徐々にこの考えは強くなっていきます。スタッフで何度も話し合った結果、生後22日にオスのみを人工哺育へと切り替えました。この時のオスとメスの体重差は206gにまで開いていました。

●人工哺育●
いつ人工哺育に切り替えても大丈夫なように事前に準備は整えていました。方法は他の動物園の資料などを参考に行います。まだ体温調節を自ら出来ないため、保育器にいれて温度や湿度の調節をします。ミルクはジャイアントパンダ専用の「パンダミルク」を使用し、濃度やカロリーを便の状態、動きを観察しながら決めました。最初の心配は人工ミルクを飲んでくれるかどうかでした。
指にミルクを垂らして味を覚えさせると、手を吸うようにはなりましたが人工の乳首を嫌がり、哺乳瓶からは飲みません。様々な乳首を試した結果、子犬・子猫用の乳首でようやくミルクを飲むようになりました。人工哺育に切り替えた当初はミルクが気管に入っていまわないように注意しながら与え、成長に合わせて体重の増減にも気をつけました。日に日に体重は伸びていき、生後100日には体重差が125gに縮まり、1,790gとすくすく成長しました。現在、姿は成獣とほろんど変わらず、体重は生後5か月でメス2.9kg、オス2.6kgです。これからもスタッフ一同、どのように成長していくのかワクワクしながらこの2頭の成長を見守っていきます。
(岩瀬 彩弥加)

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